劣化対策(防水と透湿)

一次防水、二次防水とは
防水層を理解すると分かりやすいです。
屋根や外壁が「一次防水」でその下にあるもしもの層が「二次防水」です。
例えば、屋根や外壁の塗り替えは定期的に行います。一次防水の保護が目的ですね。ここで気になる二次防水の耐久性ですが、一般に、「一次=二次」程度の防水性能になっている事が多く、この場合、一次防水を塗り替えたとしても中の二次防水は劣化している。という事になります。これではもし一次防水が切れた時、即座に「雨漏れ」に繋がってしまいます。10-20年前の建物に雨漏れが多い理由として、一次防水のメンテの認識が無いご家庭が多いため、一次=二次程度の防水性能のため、という要因も考えられます。
通常、二次防水の素材はもっと長持ちするのですが、昨今の壁や屋根の温度はドンドン高くなっているので、想定より早期に劣化しているケースもあります。壁で60℃、屋根で80℃は最低限、想定する方が無難です。二次防水には耐久年数に加え、耐熱温度も検討しなければなりません。
「一次防水 < 二次防水」にすべき
屋根は透湿してもいいの?
近年、人気急上昇の透湿性の屋根防水シート。
屋根の濡れが気になる場合や、屋根断熱で繊維系断熱材で冬型結露が気になる場合、などに採用されるケースが多いです。しかし、グレーな使用方法も問題になっており、屋根透湿防水シートを採用する場合は、屋根材(一次防水)との間に屋根材の通気層が必要です。JIS的にそうなっている場合もありますし、メーカーが指定している場合があります。ケース毎に確認が必要です。※ここでいう通気層は小屋裏換気の通気層では無いので注意してください。
なお、屋根材の通気層を設ける場合、注意したい事があり、太陽光システムの保証が付かない事があります。フカフカした所には太陽光を設置できないよ…という事です。加えて、屋根材の通気層に台風などで空気が入った時、屋根材を捲りあげてしまう危険がある。という危険もあるという事です。
弊社としては屋根透湿防水シートは不安が残るので、屋根防水シート(JIS A 6005)の最高峰、耐用年数60年の製品を採用します。(2027年契約時の仕様)

内部結露の計算
非定常計算(WUFI)と定常計算(森林文化アカデミー)
■内部結露 非定常計算
非定常計算という内部結露計算の最高峰の計算を行っています。
定常計算と比べて違う所は、温度湿度の変化量に加えて、通気層の換気回数、外表面の日射吸収率、放射率、漏気箇所による通気、躯体の熱容量や湿気容量まで条件に含めます。夏型結露に関しては非定常計算でないと分からない部分が多いので参考にするべきです。
ただ計算は外注になり計算料も高いので、毎現場行う事はしていません。あまりに条件がズレる際は再度計算を行います。

■内部結露 定常計算
定常計算を夏と冬でそれぞれ全棟に行っています。
非定常計算よりは精度に劣りますが、気軽に試行回数を重ねられるのが魅力の計算方法でかなりの回数の計算を行っています。おそらく滋賀県ではNo.1の計算回数を誇っているのでは?という自負があります。
長期優良住宅の内部結露計算シートではとても緩い条件で計算しているので全く参考になりませんのでご注意ください。岐阜県立森林文化アカデミーの辻先生の計算シートを用いると様々な環境の想定が可能です。実は温度湿度の考え方には気象庁やデータや絶対湿度への理解がないと、良い計算にならないので、計算よりも準備が大変な計算にあたります。材料に依存する計算でもあるので建築資材の知識もまあまあ必要です。
材料選びを間違うとメンテナンスのやりようも無く、住宅の寿命がただただ縮まります。

透湿防水シートのデメリット
夏型結露とは、
夏の多湿な空気が室内に入って来る時に屋内の防湿フィルムに遮られてその面で結露を起こすというもの。冬型の結露から守ってくれていた防湿フィルムが夏には悪さをするという事で「夏型結露の方が怖い!」と大騒ぎになりました。
そこで注目されたのが「透湿可変シート」これは夏にだけ湿気を通すという物性を持つシートで真面目に住宅を考える建築会社がこぞって採用しています。しかし、ここでつい最近発覚した透湿可変シートの弊害。夏の屋外の水蒸気が引っ切り無しに室内に入ってきて除湿ができないというもの。
これに気づいている建築会社も少ないのですが、これが発覚していない理由としてお引き渡しの後、お客様のお家の空気環境を追う事があまりないという事があげられます。お客様としては夏だから湿気が多いのは当然だよね?とスルーしてしまう。この夏の屋内の湿度をどうすれば良いか、という対策ですが、断熱材をポリスチレンフォームなどの湿気を通さない物にする。可変シートを使う場合、内装材の透湿抵抗を上げて結露しない範囲で湿気を通す量を減らす。通常の防湿フィルムを使う場合、実際に結露被害が起こるかを検証する(結露判定と結露被害は別)などです。空調設計としてはエアコン冷房が止まってしまわないような計画を行う。という手立てもありますが、なかなか厳しいです。
これはまだあまり知られていない情報ですので、ここで知れた方はラッキーです。
小屋裏換気は適切に

「小屋裏」とは簡単に言うと屋根裏の事です。
木造住宅の多くは夏場に屋根裏の温度が上がり相対湿度が上昇します。これによる結露も確認されるため小屋裏換気により空気を排出する事が重要になってきます。
●小屋裏にグリーン材(未乾燥材)を用いない
●小屋裏の換気量計算を一棟ごとに行う
●軒ゼロ形状の場合は特に、腕の良い板金職人に依頼する
これらの事を実践する事により小屋裏の空気を適切に入れ替える事が可能になります。図のような軒ゼロ形状の場合、防水の観点から板金職人の腕、設計の知識、現場監督の知識が絶対に必要になります。
内部結露に関する解説動画
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