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24時間換気は人それぞれ

24時間換気とは?

法律で義務化

シックハウス症候群対策のため居室の計画換気が法義務化されています。
1時間に0.5回(=2時間に1回)居室の空気が入れ替わるように計画します。
現在、建築建材の指定有害物質の含有量はごくわずかなので、家具などから発生する有害物質への対策の意味が大きいです。
健康性能のページ(VOC)で詳しくふれています。

換気し過ぎ?

詳しくは言いませんが、
上記のシックハウス症候群対策だと大きな家だと200m3/hの換気が求められます。
例えば1人暮らしの場合、一人 200m3/hの換気が必要です。

ちなみに他の換気関連の法律では1人あたりの換気量が定められています。
例えば、
・建築基準法  一人 20m3/h
・ビル管理法  一人 30m3/h
・建築物衛生法 一人 30m3/h

さっきの200m3/hと比べておかしくないですか?というお話。

換気方式の間違い、手段が目的になってる?

住宅全部に言える事ですが、特に換気と空調(エアコン)のページで以下内容を記載しています。

採用したい物が「手段」である場合と「目的」である場合があると思っています。
例えば、この風景が欲しい、という事で採用する物、照明器具や家具やカーテン、場合によっては塗り壁や木板もそうかも知れないです。
これは採用したいものが「目的」になっていますね。目的物です。

でも換気って「目的」じゃなくて「手段」ですよね?
自分の好む温度湿度を作りたいという「目的」があるから「手段」として換気方式を選ぶのであって、換気扇の見た目に惹かれているわけではないですよね?

「1種換気熱交換」という言葉にステータスを感じる場合それは「目的」ですが、でも本質はそうじゃないと皆さんご理解されていると思います。

それでは自分の好む温度湿度とは何か、というと顕熱と潜熱とエンタルピーです。
これを理解して換気方式を選んでいる「設計者」を選ぶことが最適の「手段」です。
こういう設計者なら換気方式を固定する事はまずありません。人に合わせて変えます。

数少ない空調設計ができる設計士ならば、費用をかけずに目的の温度湿度を再現する事も可能かも知れません。

一戸建て住宅で使える換気システムの種類

■1種換気熱交換ダクト有り 追加仕様
 メリット
  ・光熱費が年間 10,000-15,000円くらい安くなるけど…
  ・夏の湿度が高くなりにくい
  ・無暖房・無冷房時間を増やす事ができる
  ・アメニティエアコンと組み合わせて合理的な空調計画 
デメリット
  ・初期費用と維持管理費用で光熱費の恩恵が弾け飛ぶ
  ・日々の掃除が大変
  ・国産品のメーカー互換が無く、交換部品がなくなる

■3種換気ダクト無し 標準仕様
 メリット
  ・初期費用と維持管理費用がめちゃくちゃ安い
  ・メーカー互換性がめちゃくちゃ高い
  ・壁掛けエアコンと合わせて面白い事ができる
 デメリット
  ・自然給気口から暖気・冷気が直接入ってくる
  ・空転が起きる(排気口から給気されたり)
  ・夏の湿度が高くなる
  ・無暖房・無冷房期間が短くなる
  ・日々の掃除が大変(このページ下の動画参照)

1種換気熱交換は客寄せパンダ

近年、1種換気「熱交換」という換気方式がファッションとして利用されます。

「熱交換」とは換気する際に室内と室外の空気を非接触(システムによる)で混ぜて熱を交換させるシステムで、屋外の熱い、寒い、空気を直接屋内に取り込まないというメリットがあります。これにより屋内環境は快適になり、エアコン負荷が減り光熱費が安くなります。
ここまで聞けば分かる方も居られるかと思いますが、客寄せパンダとして最適なシステムとなります。
構造でいう制震システムと同じです。効果のほども説明できない建築会社が好んで用います。
「今時、3種換気を使うなんてお客様の事を考えていない証拠です!」というセールストークが繰り広げられます。
弊社としましては60年間にトータルでかかる電気代、フィルター代、システムメンテンナス費用を試算してお客様にご提示した結果、1種換気熱交換を維持できる方があまりに少ないため、3種換気システムを標準仕様にしています。換気はメンテナンスに多額の費用がかかって止める事ができません。一度採用すると永続的にそのシステムになってしまうのです。
実際、熱交換が効率良く機能するのは室内外温度差の大きい、1年に1ヶ月から2ヶ月という短い期間ですので、その短い期間の快適性を重要視される方や、継続的にメンテンナスのご予算を組める方には最適な1種換気熱交換システムをご用意していますので、ご相談いただければと思います。

3種換気は換気ができていない?

3種換気で一般的に使われる換気扇はプロペラファンというダクトレスのファンです。弊社の標準仕様です。
ただこのプロペラファン、風量は自体はあるのですが気圧差などの抵抗に非常に弱いです。
例えばキッチンのレンジフードは住宅設備の中でも一番大きな風量です。これはプロペラファンではなくシロッコファンです。
このキッチンレンジフードを運転している最中は排気をしているはずのプロペラファンから空気が入って来るというような空転を起こします。屋外で強風が吹いている時も同じくプロペラファンは安定しません。「これでは計画換気に不安がある」という方に向けて3種換気システムでもシロッコファンを採用できますオプション仕様となりますので追加費用は発生します。
ただプロペラファンでは本当に換気ができないのか?弊社の過去の建築物件にお願いしてCO2濃度の測定を行った所「問題なし」という結果になりました。3人で就寝する部屋でも400~700PPM程度で推移しています。
ただやはり安定しているのは1種換気ですので、空気環境にこだわりたい方にはメンテナンス費用の積み立てを行いながら1種換気を採用する方が無難かと思います。

1種換気も3種換気も日々のお掃除をしないと機能しません

どのシステムでもそうですが、虫やホコリなどが室内に入らないようにフィルターが存在します。
これは定期的にお客様のお掃除が必須な部分です。これだけだと良いのですが、掃除できない部分が出てくるシステムも少なからず存在します。それに引っかからないよう注意が必要です。
もし、お掃除が面倒なシステムに当たってしまって、上手く掃除できない場合の換気方法を紹介します。(あくまで応急処置なので推奨はしません。)

①窓を開けて換気する
この場合、風のむくままですが換気は出来ます。窓を開けている間は換気システムはうまく機能しませんし、C値の意味も皆無になります。つまりお掃除が苦手と自覚が有る方の場合、最初から高級な換気システムは不要という事になります。これはこれで賢い選択とも思います。
②キッチンレンジフードを定期的に回す
この場合、強制的に空気が入れ替わります。レンジフードに油が詰まっていると思うように抜けませんが。室内の空気環境をリセットする場合にも結構お勧めです。

弊社では出来るだけお掃除のしやすいシステムを採用するように心掛けていますが、どのシステムでもなかなかお掃除は面倒な物です。

その他の項目

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