24時間換気は人それぞれ
24時間換気とは?
法律で義務化
シックハウス症候群対策のため居室の計画換気が法義務化されています。
1時間に0.5回(=2時間に1回)居室の空気が入れ替わるように計画します。
現在、建築建材の指定有害物質の含有量はごくわずかなので、家具などから発生する有害物質への対策の意味が大きいです。
健康性能のページ(VOC)で詳しくふれています。
一戸建て住宅で使える換気システムの種類

・1種換気は屋外の空気を機械で吸い込み、屋内の空気を機械で室外に吐き出します。
安定した換気ができる代わりに、初期費用と電気代やフィルター代などのランニングコストも高くなります。
「熱交換」を採用した場合、換気による熱のロスを減らす事ができますが、初期費用とランニングコストを取り返す事はできません。
機種選びを間違うと掃除が大変になったり継続してかなりの費用がかかったりと、管理に難のあるシステムといっても良いと思います。
その中でもまだ継続利用のしやすい良いシステムをご案内する事が可能です。オプション仕様となります。
・3種換気は屋外にフィルターのついた給気口を設置し、屋内の空気を機械で室外に吐き出します。
機械で屋内空気を排気した分、自然に給気口から屋外の空気が入って来る仕組みです。
換気扇の力が弱いので風向や温度差により計画風量が安定しない、むしろ空転・逆転してしまう事もあります。
初期費用、ランニングコストともにかなり安いですが、清掃に難があるのでお客様とご相談のうえ決定しています。
3種換気ダクトレスが標準仕様となります。
1種換気熱交換を安易に採用できない理由
近年、1種換気「熱交換」という換気方式がファッションとして利用されます。
「熱交換」とは換気する際に室内と室外の空気を非接触(システムによる)で混ぜて熱を交換させるシステムで、屋外の熱い、寒い、空気を直接屋内に取り込まないというメリットがあります。これにより屋内環境は快適になり、エアコン負荷が減り光熱費が安くなります。
ここまで聞けば分かる方も居られるかと思いますが、客寄せパンダとして最適なシステムとなります。
構造でいう制震システムと同じです。効果のほども説明できない建築会社が好んで用います。
「今時、3種換気を使うなんてお客様の事を考えていない証拠です!」というセールストークが繰り広げられます。
弊社としましては60年間にトータルでかかる電気代、フィルター代、システムメンテンナス費用を試算してお客様にご提示した結果、1種換気熱交換を維持できる方があまりに少ないため、3種換気システムを標準仕様にしています。換気はメンテナンスに多額の費用がかかって止める事ができません。一度採用すると永続的にそのシステムになってしまうのです。
実際、熱交換が効率良く機能するのは室内外温度差の大きい、1年に1ヶ月から2ヶ月という短い期間ですので、その短い期間の快適性を重要視される方や、継続的にメンテンナスのご予算を組める方には最適な1種換気熱交換システムをご用意していますので、ご相談いただければと思います。
3種換気は換気ができていない?
3種換気で一般的に使われる換気扇はプロペラファンというダクトレスのファンです。弊社の標準仕様です。
ただこのプロペラファン、風量は自体はあるのですが気圧差などの抵抗に非常に弱いです。
例えばキッチンのレンジフードは住宅設備の中でも一番大きな風量です。これはプロペラファンではなくシロッコファンです。
このキッチンレンジフードを運転している最中は排気をしているはずのプロペラファンから空気が入って来るというような空転を起こします。屋外で強風が吹いている時も同じくプロペラファンは安定しません。「これでは計画換気に不安がある」という方に向けて3種換気システムでもシロッコファンを採用できます。オプション仕様となりますので追加費用は発生します。
ただプロペラファンでは本当に換気ができないのか?弊社の過去の建築物件にお願いしてCO2濃度の測定を行った所「問題なし」という結果になりました。3人で就寝する部屋でも400~700PPM程度で推移しています。
ただやはり安定しているのは1種換気ですので、空気環境にこだわりたい方にはメンテナンス費用の積み立てを行いながら1種換気を採用する方が無難かと思います。
1種換気も3種換気も日々のお掃除をしないと機能しません
どのシステムでもそうですが、虫やホコリなどが室内に入らないようにフィルターが存在します。
これは定期的にお客様のお掃除が必須な部分です。これだけだと良いのですが、掃除できない部分が出てくるシステムも少なからず存在します。それに引っかからないよう注意が必要です。
もし、お掃除が面倒なシステムに当たってしまって、上手く掃除できない場合の換気方法を紹介します。(あくまで応急処置なので推奨はしません。)
①窓を開けて換気する
この場合、風のむくままですが換気は出来ます。窓を開けている間は換気システムはうまく機能しませんし、C値の意味も皆無になります。つまりお掃除が苦手と自覚が有る方の場合、最初から高級な換気システムは不要という事になります。これはこれで賢い選択とも思います。
②キッチンレンジフードを定期的に回す
この場合、強制的に空気が入れ替わります。レンジフードに油が詰まっていると思うように抜けませんが。室内の空気環境をリセットする場合にも結構お勧めです。
弊社では出来るだけお掃除のしやすいシステムを採用するように心掛けていますが、どのシステムでもなかなかお掃除は面倒な物です。