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制震装置との向き合い方

制震とは?客寄せパンダ?

「耐震」ががっちりと耐え「制震」はクッションで受け止めて振動を和らげます。勘違いしやすい部分ですが制震は単体では効果を発揮せずあくまで耐震の補助の役回りです。しっかりと耐震等級3を確保し構造計算(許容応力度計算など)、直下率や偏芯率の検討も行って、時刻歴応答解析(Wallstatによる検証)を行ってから、はじめて採用するべき装置であると考えています。最後の装置と言えます。
語弊はありますが、弊社としては制震装置に対して良いイメージはもっておりません。
見栄え重視で耐震等級1の建物に制震装置を設置するビルダー。「うちは4台でOKです」「うちはなんと2台でOKです」と許容応力度計算もしていないビルダーに制震装置を勧めるメーカー営業。真面目に装置を開発するエンジニアの方々の思惑とは違う方向を向いているように感じてしまいます。
今の現状では制振装置は不動産ビルダーの客寄せパンダになっている、と言わざるをえません。

繰り返し地震に強い!「制振金物」を標準化!

前述のとおり制振装置に関してはネガティブですが、構造部材の補助材としてならばポジティブにとらえています。
木造軸組工法の内部の耐力壁である「筋交い」は0.8度(75分の1ラジアン)程度の変形領域で座屈破壊を起こします。前述の通り、まず耐震等級3でしっかり固めないとすぐに破壊してしまうのです。
岡部株式会社の「ブレスターZ600」は筋交いの破壊を和らげる金物です。機構が単純でローコストなので費用対効果が良いと考え採用にいたりました。
下にあるのは実験動画の資料です。震度6強に6回耐えたという結果です。これを地震変形の大きい1階に取り付けます。

大掛かりな制震装置が使いたい!という方に

ご予算が有る場合、制震装置を採用できない事も無いのですが、非常に難解な問題として地震のどのタイミングから装置が抵抗を始めるのか?という点があります。
装置によって変わるのですが、破壊が始まってから効果を発揮するダンパー型、破壊が始まる前から効果を発揮する壁倍率型。どちらを採用するかは設計の考え方によるのですが、
ダンパー型は地震が起こるころまでダンパー機構が存続しているか、壁倍率型は耐震設計において制振装置を含める必要がありそのあたりをどう判断するか。
一つの手段として時刻歴応答解析ソフトウェアwallstatに登録されている制震装置もあるので、そちらで採用検討をするという手も出てきました。
おそらく一棟50万円はかかってきますがそれくらいの心つもりで挑みましょう。

本当に強い家の動画

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